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日本酒造りのリアルを描いた話題のドラマ
「リキッド」 2015.07.31

日本酒造りのリアルを見事に描いたドラマ「リキッド ~鬼の酒 奇跡の蔵~」。タイトルは日本酒の渾身の一滴を英語で表したそうです。2015年の4月に3回に渡って放映されたこのドラマは、日本酒造りの奥深さや蔵人たちの情熱や苦悩が隅々まで描写されており、日本酒ファンはもちろんのこと、あまり日本酒に馴染みのない方たちをも惹きつける魅力的な作品になっています。

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あらすじ

主人公の相楽修一を演じるのは人気俳優の伊藤英明さん。銀行マンとして働いていた修一はあることをきっかけに会社を辞めることになってしまいます。金沢にある実家の相楽酒造を継ぐことを決める修一に降りかかってきたのは蔵が抱える大赤字。銀行に追加融資ももらえずに苦悩する修一は、津川雅彦さん演じる伝説の杜氏・鷲尾勇作の存在を知ります。勇作はそれまでただ酔うために飲まれていた日本酒を、味と香りを楽しむためのお酒に変えた業界の革命児として知られる名杜氏。しかし、「鬼」と怖がられるほど酒造りにシビアで、酒造りには犠牲をいとわない性格の持ち主。修一はそんな勇作を説得し、蔵の杜氏として向かい入れます。

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破綻寸前の蔵に有能な人材が集まるはずもなく、蔵に集まった人々は皆酒造りの素人たちでした。しかも皆それぞれ問題を抱えた悩める人ばかり。修一は勇作率いる素人蔵人チームとともに様々な困難を乗り越え、蔵の命運をかけて最高級の純米大吟醸酒「雪乙女 純米大吟醸」造りに励みます。果たして「雪乙女 純米大吟醸」のでき、そして蔵の未来は?

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みどころ ~画面を通して伝わってくる酒造りの奥深さ~

脚本と演出を手がけた源孝志さんはこのドラマの脚本を書くにあたり、とある酒造に長期滞在し、酒造りのいろはを学んだと言います。そこで見た光景はとても繊細で、あたかも蒔絵の工芸品造りを見ているように思えたそうです。本物の杜氏と蔵人たちに学んだ酒造りを忠実に映像化したこの作品には細部にまでこだわりが見え、一本のお酒を生むための苦労や葛藤、作業の困難さや奥深さが描き出されています。

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財産と人生の全てをかけて蔵を再生しようとする修一と命を削りながら最高の酒を目指す勇作の姿に、男のロマンを感じる作品です。また、最初は右も左もわからなかった蔵人達が、二人の情熱に感化され、立派な顔立ちに変化していく様も注目です。ストーリーが迎える意外な結末もまた見逃せません。

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中島ノブユキさんが担当する音楽がストーリーをより引き立たせる

このドラマの音楽を担当したのが中島ノブユキさん。映画「人間失格」や大河ドラマの「八重の桜」などの音楽を担当した有名なピアニスト兼作曲家です。ドラマのエンディングで流れるリキッドのテーマ曲は弦楽器とピアノをベースに、和楽器のアクセントを加えた楽曲となっています。極寒の中で行われる酒造りの過酷さと苦悩を物語るかのような、暗く静寂な印象の傑作です。また、作品中では要所要所で和太鼓やその他打楽器のアンサンブルが流れ、ストーリーに緊張感を与えながら、登場人物の感情を豊かに表現しています。

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さいごに

リキッドは日本酒が好きな方にも、そうでない方にもおすすめしたいドラマです。日本酒はただのお酒ではなく日本の伝統文化です。その観点からすると、この作品は日本の伝統文化や伝統工芸品の尊さに改めて気付くきっかけを提供するとともに、継承者たちが様々な問題を抱える現状に警鐘を鳴らしているのかもしれません。ぜひリキッドをご覧になってみてください!