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インタビュー

酒造インタビュー#2
秋田酒造・野本さん 2015.07.01

酒造インタビューの第二弾は、主力銘柄である酔楽天を中心に大吟醸造りに力を入れている、秋田酒造・社長の野本翔さん。

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地元で愛される日本酒へ


—— 秋田酒造が大吟醸蔵として有名になった経緯とは何ですか?

お金をかけてでも美味しいものを求めたのがバブル時代の特徴でした。『酔楽天』はベースとして美味しかったので、上手く時代に乗れたのだと思います。その頃はお酒を火入れした後にタンクで保管しておくことがよくあった時代なのですが、秋田酒造では既に瓶詰めして冷蔵庫で貯蔵する方法を採っていました。昔から常に保管方法に気を使っていた結果、美味しいお酒を品質を保ったまま、お客様のもとに届けることができたのです。

そして、大吟醸は米だけ磨けば良いという訳ではないですよね。吟醸造りもしなければなりません。お米を洗うのも、運ぶのも、麹のほぐしも、『酔楽天』は全て手造りにこだわっています。

—— 秋田酒造の『酔楽天』といえばアメリカのレストランでも目にすることがありますが、海外進出のきっかけは何だったのですか?

縁が強かったと思います。日本食がユネスコに登録されたことで日本酒には追い風が吹いているように感じます。さらに外国人は日本人と比べてアルコールの分解力が高いので、潜在的にお酒を飲む量も多いです。アメリカでは日本酒の消費量は全アルコールの消費量と比べて1%にも満たないので、まだまだこれから発展の余地があります。そのタイミングで色々な方と出会って、日本酒を輸出する良い縁に恵まれたことは本当に良かったです。

ただ、海外だけではなく、地元、そして国内の消費者とのバランスも考えていかなくてはいけないと思っています。我々は秋田県内でもまだまだの酒造です。秋田県は30年後に人口が30%減ると言われていますが、だからといって県内消費をあきらめてしまうようではダメだと思っています。もっと市内で愛されるお酒になれば、必然的に市外、そして県外からも声がかかると思っています。

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気になった銘柄をまず飲んでみよう


—— 徐々に日本酒への関心度が世間で高まってきていると思いますが、日本酒を楽しむために日本酒ビギナーはどういうところに気を使えば良いのでしょうか?

よく言うのは良い酒を飲め。でも何が好きかをまだ見つけていない初心者の方に高いお金を払っていただくのは酷だと思います。なので、お手ごろな価格であったり、ラベルが気に入ったからという理由がきっかけでも良いと思っています。まずは日本酒を飲んでもらって、そこから高いものや安いものと飲み比べれば良いのかなと思います。我々も百貨店などでビギナーの方にも手にしてもらえるような値段とデザイン、お酒の売りや売り方を検討する必要があると思っています。伝統を守るのも大切ですが、iPhoneの革新が速いように、日本酒も時代によって変えられるところは変えていきたいです。

—— 野本さんが思い描く理想の日本酒像・酒造像は何ですか?

我々は醸造石数がまだ大きくないので、もう2割ほど増やしていきたいと思っています。さらに吟醸造りにもっと特化していきたいと思っています。まだまだ少ないですが、我々は海外でお酒も販売しているので、稼いだ外貨で秋田産の原料を使い、秋田の人を雇用して、秋田ならではの酒を造ることで、これから秋田県をもっと元気にしていきたいと思っています。


秋田酒造     —  酔、楽天。東北の野球ファンに愛される酒。—