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インタビュー

インタビュー #6
日本酒と音楽の仕掛け人 梅澤豪さん 2015.09.25

日本が誇るべきモノやヒトを紹介していくメディアの「富士虎」を発足させ、後に学研パブリッシングよりムック本「LOVE♡日本酒」を発刊。また、「東京會津祭」「福×福まつり」など日本酒イベントの企画などを行い、渋谷にDJバーの「32016」と三軒茶屋に和酒専門店の「Umebachee」を構える梅澤豪さん。梅澤さんの原動力となっている日本酒に対する想いと、彼が今まで作りあげてきた日本酒の新しい形について伺いました。

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—— 梅澤さんと日本酒の出会いはどのようなものでしたか?

僕の初めての日本酒との出会いは、母が絶品だと勧めてくれた生牡蠣と日本酒のペアリングでした。そのコンビネーションが本当に美味しくて、衝撃を受けましたね。世間では多くの方がまずい日本酒をを飲んでしまい、悪酔いし、悪いイメージを持たれてしまうようですが、私の日本酒との出会いは最高でした。

日本酒を好きになってからは色々なところで日本酒を飲み歩きました。僕はスキーも大好きで、若い頃東京の池袋から出る深夜バスに乗ってよく友達とスキーに行っていました。深夜バスが出発する数時間前に皆で池袋駅に集まり、近くの地酒屋さんで日本酒をまず飲む。するとバスに乗る頃には酔いがまわり、ぐっすりと眠ることができるので、起きる頃にはスキー場に着いているというわけです。

20代前半の頃は、海外を旅行しながら、その土地でしか味わうことができないお酒を飲むことが一番の楽しみでした。どんなお酒も大好きなので、シェリーやビール等、色々な場所で色々なお酒をいただきました。その後帰国してバーで働いていたのですが、私と同じように旅をしている海外のお客さんからよく日本のお酒が欲しいと注文されました。ところが、当時のバーに日本のお酒は生ビールぐらいしかなかったのです。日本酒や焼酎を取り扱うように何度か店長にお願いしたのですが、結局実現しませんでした。その時感じた悲しさや悔しさは今でも覚えています。

そのあと少し日本酒から離れ、色々な洋酒を飲む機会が増えていったのですが、20代半ばの頃に勤めていた和食店で味見した『飛露喜 無濾過生原酒』に衝撃を受けて、再び日本酒の魅力にどっぷりとハマりました。いつか日本のお酒をテーマにしたお店を開きたいと思い始めたのはその頃でした。

—— 独立後に開店された、看板の無いDJバー「32016」についてお聞かせください。

30歳の頃に独立することを決断したのですが、自分なりにどの様に日本酒を表現しようかと、色々考えました。結果、20代 ~ 40代の音楽好きで独自のこだわりを持っている人達をターゲットに、好きな時に立ち寄れて、日本酒を気軽に飲んで帰れるDJバーを目指すことにしました。以前からクラブイベントのプランニングなども行っていたので、DJバーを開く事は自然な流れでした。

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しかし、最初から全て日本のお酒でバーを営業することへのハードルは高かったので、オープン当初はジンやラムも置いていました。徐々に洋酒をなくし、お客様の理解を高めながら最終的には日本のお酒のみを扱うバーになりましたが、嬉しいことにお客様の満足度も高まりました。例えばジントニックをご注文するお客様には、ジンがないと言うことと日本酒トニックの美味しさについて説明します。すると日本酒トニックを飲んだ多くのお客様は、美味しいと喜んで下さいます。

さらに、カクテル作りに関しては、日本のリキュールは持ってこいです。例えば小林酒造のしっかりとした果肉感のある『鳳凰美田 完熟もも』にほんの少しオレンジジュースを足したカクテルは、すぐ飲み終えてしまうほど女性に大人気のカクテルです。

日本のお酒だけでバーができる時代は、実は随分と前から始まっていると思っています。

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—— バーと平行して梅澤さんが運営されている、日本が誇るべきモノやヒトを紹介していくメディアの「富士虎」についてお聞かせください。

富士虎はライターの馬渕と二人で運営しているメディアです。その富士虎がスタートするきっかけとなったのは、会津にある曙酒造の現杜氏・鈴木孝市くんです。彼は僕らがどんどん会津にのめりこんでいった要因のひとつでもあります。

孝市くんに出会ったのは、若手の杜氏や蔵元が中心となり自らが造った日本酒を振舞う「若手の夜明け」というイベントでした。開催日の2011年3月13日は震災の2日後だったので、福島県の蔵はほとんど復旧に追われイベントを欠席されました。しかし孝市くんは蔵が半分崩れてしまっているのにも関わらず、今までお世話になってきた人達を安心させようとイベントで元気良くお酒を振舞っていました。その時孝市くんは快く名刺交換をしてくれました。(曙酒造・鈴木孝市さんのインタビューはこちら

それからしばらくして、うちのバーであるイベントを行いました。銘柄名を隠した色々なお酒を色々な人に飲んでもらい、各飲み手が美味しかったお酒に点数を付け、一番美味しいお酒を決めるという企画でした。「日本酒総選挙~夏酒バージョン~」と銘打ったこの企画で優勝したのが、曙酒造の『天明 さらさら純米』でした。非常に盛り上がった企画だった上に、このお酒をもっと広めたいと思い、孝市くんに取材をさせてもらいました。書き終えた原稿を新聞のように発行し、優勝酒に込められた想いや背景をお客様に伝えるために配りました。この記事をネット上でアーカイブしたのが富士虎なのです。

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それから富士虎と会津の関係は深まっていきました。孝市くんには色々な蔵の方を紹介してもらい、僕らが頻繁に会津に行ったり、孝市くんが東京に来たりして、会う度にお酒を交わしました。ある時、孝市くんが全て会津で作りあげるイベントを東京でやりたいと言ってきたのです。会津の美味しい食事にお酒、そして会津のDJが選曲するイベントというのが案でした。それが形となったのが「東京會津祭」なのです。

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今は日本の伝統的な素晴らしいものが埋没してしまい、多くが無なくなってしまっています。富士虎は古き良き日本の素晴らしいものを再発掘して、皆さんに発信していきたいと考えています。そこからさらに、海外に発展していくような事業に繋げていきたいと思っています。最近では富士虎は日本酒のイメージが強くなってしまっているのですが、器や料理、そしてライフスタイルにおける様々な日本の伝統的文化を取り上げていきたいと思っています。

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—— 今後梅澤さんはどの様な活動を行っていきたいと思われていますか?

和酒と音楽を融合させたDJバーのような業態を、皆さんにとって馴染み深いものにできるよう、色々なことを試したいと思っています。まず手始めに「東京會津祭」を成功させることが出来ました。今後も20~30代をターゲットに、さらに大きなイベントを開催したいと思っています。その先駆けとなるのが今年の10月1日に開催される「ジョウゾーオン」です。全国から6蔵お呼びして、蔵の日本酒と音楽の融合をお客様に楽しんでもらう企画です。

最終的には全国ツアーもやりたいと思っています。実はコンサートホールがある蔵は全国で数多くあり、その場所を借りて日本酒好きなミュージシャンを集めて、ツアーをやりたいと思っています。そのようなことができれば本当に楽しいと思いませんか?自分のやってきたことの一つの集大成になると思いますね。

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32016
住所: 東京都渋谷区渋谷3-20-16
URL: https://www.facebook.com/32016-231685776862889/

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Umebachee
住所: 東京都世田谷区三軒茶屋2-14-12 三元ビル 5F
電話番号: 03-6413-8895
URL: https://www.facebook.com/Umebachee-643080119122930/

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ジョウゾーオン
開催日 2015年10月1日(木) SOCIAL CLUB TOKYO
東京都渋谷区渋谷2‐17‐3 渋谷アイビスビルB1F、B2F
第一部 17:30~20:00
第二部 20:00~23:30
入場料  前売券:3000円  当日券:3800円
参加蔵:
新政酒造  「新政」 (秋田)
湯川酒造店 「十六代九郎右衛門」 (長野)
冨士酒造  「栄光冨士」 (山形)
福田酒造  「福田」 (長崎)
笹正宗酒造 「笹正宗」 (福島)
松屋酒造  「流輝」 (群馬)

チケット購入はe+もしくはPeatixにて
URL: https://www.facebook.com/jyouzoon

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